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体験談~善意が必ずしもプラスに働くわけじゃない話~

筆者 事務局

こうした体験談について書くのは気を使います。

個人が特定されないように書くことを心がけているのですが、詳細について記すと、狭い世間なので誰のことなのか、関係者なら分ってしまうので。

個人が分られないように、かつ内容が分ってもらえるように書くのは難しいですが、備忘のためにもあえて書きます。

きっと読む人は少数だろうし(^^;

---

昔、会社に聴覚障害の人がいた。

その人は多くの先天性の聴覚障害者と同じように、読み書きが苦手だった。

社内で昇格審査があった。

昇格すると、給料も上がる。

その人は、仕事に対する考えを書くというレポートを課された。


仕事が終わって帰宅すると、FAXが入っていた。

その人からだった。

昇格試験で提出する文章を校正してほしいとのこと。

読んでみた。

言いたいことはなんとなく分るが、いわゆる「ろう文」で、校正のしようがないほどひどい文章だった。

これではとても昇格は難しいと思った。


時計を見ると夜0時を過ぎていた。

翌日までに校正して欲しいとのこと。

たとえ私が何もしなかった為に不都合な事が起こっても、それは本人の自己責任だが、FAXを放置したまま寝床に入るのは気持ちが悪かった。

何もしないのは良心がとがめたのだ。


そこで、せめて文章を書き直す足がかりを作ってあげようと思い、本人が言いたいであろう事を推測して、箇条書きにして送った。

読み書きが苦手なことを考慮して、懇切丁寧に書いたので、結構時間がかかった。

寝床に入ったのは深夜の3時くらいだったと思う。

文章の最後に「これは、あくまで参考です。そのまま会社に提出するのはやめてください」と付け足した。


その後、本人と会った。

無事昇格試験に合格したとのこと。


結局、自分で書くことをせず、私が書いた文章をつなげて、他の人に再校正してもらって、提出したとのことだった。


私のお願い「あくまで参考に」は無視されてしまった。

私がしたことは、本人のためになるどころか、彼の依存心を助長しただけだったように思う。

その後彼は、手伝ってくれそうな人間を見つけ、弱者面し、どうやったら手伝ってもらえるのか、そうした姑息なテクニックにばかり長けていってしまった。

その後も何かと依頼されたが、反省をして、安請け合いはしないようにした。

あるとき「それは自分で、できるんじゃないの?」とストレートに話したところ、あてにしていた奴に裏切られたと思ったのか、音沙汰がなくなった。

おそらく手助けしてくれる人をほかに見つけたのだろう。


私は、自分の対応が親切かどうか、冷たくないかどうかなど、自分の援助の姿勢を問うばかりで、手助けした結果、相手がどうなるのかまで問うていなかった。

こちらが善意でしたことなら、あちらも善意で返してくれるはずと思い込んでいた。

でもそれは、私の勝手な思い込みだった。


援助に「母性的援助」と「父性的援助」があるとしたら、依存心が強くなってしまった彼に必要だったのは、時には冷たく突き放す、または援助をしないという援助のあり方、「父性的援助」だったのではないかと思う。


こうした話、発展途上国での民間援助活動の問題に似ていると思いませんか?

「善意が必ずしもよい結果をもたらすとは限らない。」

このことはNGO活動では基礎中の基礎。

この基礎を、私自身が分っていなかった。

私がこれまで接してきたボランティアのコミュニティでは、「弱者援助の美徳」が語られることはあっても、時には突き放すことも必要だという「自立のための援助の美徳」が語られることは少なかった。

時には”援助をしない”という援助のあり方があることを、若い人たちに語っていかなくてはならないと思っている。

それで当事者から嫌われても、仕方がない。

私の人徳がなかっただけ。

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親の責任

ある特別支援学校問題で!
その人たちは私も同調すると考えていたようだ。
しかし・・・私は違う路線で動いた。
批判の矛先は私に集中!「教育委員会の回し者」とまで言われた。
この問題は数年前からのもので、そのときから私たちは対応に
動いていたし、情報開示もした。
勿論、その人たちにも協力を仰いだが皆、「他人事」
それまでは他人任せで、いざ自分の身に降りかかると
自身の意に添わない人間は敵扱い!
そして展開する持論は明らかな差別である。
ただ・・・本人にはその自覚がないようだが・・・
そんな親に育てられた子供はどうなるのか?
ちょっと話がずれました。m(__)m ペコ

Re:親の責任

nabepapaさん、おつかれさまです。今日の打ち合わせ出れずにすみませんでした。

「自分の子供、自分のクラス、自分の学年、自分の学校さえよければいい」というエゴ丸出しの姿勢では、結局自分の子供たちにもマイナスになってしまうと思います。

nabepapaさんの「他の障害の子供たちの教育環境も、同じように良くなってほしい」という姿勢は、多くの人から支持されると思います。

Re:親の責任

事務局様

直接メールすればよいのですが・・・(^^;
この場をおかりしまして!

昨日の打ち合わせは私にとって刺激的なものでした。
保護者の意識の高さ!支援する先生の熱意!
圧倒されると共に、自身の認識の甘さも痛感した次第です。
「他障害を知ることの大切さ」をあらためて思い知りました。
このようなきっかけを与えていただきましてありがとうございました。
今後に活かしてまいります。
事務局まで

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  • Author:H&Dエデュケーショナル事務局
  • 当会は障害や、不登校等の問題、在日外国人の子供達等マイノリティの子供達を支援する非営利組織です。平成13年から活動を開始し、これまで主に重度の聴覚障害を持つ子供達の支援活動を続けて参りました。
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